葉山に住居を構え、都内の企業に勤務する土田雄介さんを尋ねました。
これまで都心に住み、都会暮らしを楽しんでいたにも関わらず、なぜ葉山へ移住しようと思ったのでしょうか?土田さんのライフスタイルやコミュニティに対する考えを伺いました。
(※本インタビューおよび撮影は2020年2月に実施しました。)
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【INTERVIEW】土田さんインタビューVOL.2
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コミュニティとは、同じ思想に共感してくれる人が近くにいる感覚。
ーー湘南葉山に対して、よくローカルという言葉が使われるけど、「仲がよすぎて内輪なんじゃないかとか、行っても入れないんじゃないか」と不安な人もいるかも知れません。
土田さん:コミュニティって言っても、同じ思想に共感してくれる人が近くにいる、くらいの感覚で思ったらいいんだと思います。もう少し一歩踏み出したければ踏み出せばいいし、踏みだしたくなければ踏み出さなければいい。
例えばサーフィンやっている人だって、どっぷりローカルっていう人もいるかもしれないし、そこまでなれない人も当然いていいと思うし。ただ、どこかでボードを持った者同士がすれ違った時の共通感と言うか。「今日楽しかったですよね」っていうその一言でも、ひとつのコミュニティだと思うんですよね。
何か形があったり、規約とかがあるものではなくって、「あ、結局みんな同じものが好きなんだ」って。同じ思想や価値観で繋がっているという感覚、アプローチの仕方とか行動の出し方がみんな違うだけであって。
ーーそうですよね。(笑)
土田さん:元々僕に湘南をすすめてくれた知人が言っていた「湘南のリベラルさ」は、こういうところかもしれないですね。山の文化もあり、海の文化もあり、文化が違う人たちが共存してきた。それで生まれたある種のリベラル感。
色んな思想を許容する範囲が広いのかもしれない。
葉山への移住は次の自分へ行くプロセス
土田さん:移住してきたからって、何か新たな思想性を持つ必要はなくて。急にサーフィンやガーデニングとか始める必要もなくて。最初は都心住まいで鈍った自分の感覚や思考をほぐして、なぜここに来たんだっけ?ということを紐解くプロセスから始まる感じなんですよね。
ーー自分のやりたいことが明確化されていくプロセスなんですね
土田さん:自然に触れたり、土を弄ったりすると、子供の頃の原体験を思い出すんです。実はその原体験とは“自分が夢中だったこと”であり、結果“これからも続けたい”ことでもあることが多い。
子供の頃にハマってたものって、改めてやってみるとやっぱり楽しいし夢中になれるんですよね。
夢中になれるものって、就職したり、都会に住んだり、つまりは大人になる過程で諦めてたもの。そういうものがここに来ると、胸のあたりがモヤモヤしだして覚める。そして、元々やりたかったことを思い出し、そこに立ち戻る。こういうプロセスを経ることで、これからの人生の輪郭がはっきり見えてきて、みんな移住してきている。そんなことなんだと思う。
ーー私もこっちに来てから、どんどん自分のやりたいことが言語化されてきちゃって。
原体験を思い出す
土田さん:ここに来る人たちっていうのは、やっぱり自分探しに近い感覚なんだと。
だから引っ越しではなくて移住って言うんだと思う。もっと大きなもの、違う価値観を求めて来るから。
都心の価値観ではないもの、画一的なものではないもの、大量生産・大量消費の20世紀型価値観でないものを探しに。その目的で来ている人の集まりだから、自然と、思想によって繋がるコミュニティっていうのが生まれやすいんだと思う。
人を作っているものって原体験な気がして。
本当に心に刻まれる体験。
ーー土田さんの子供のころのホームパーティーのお話もそうでしたよね。
土田さん:子どものころにやったことの中で一番楽しかったこと、自分が生き生きしてたことっていうのは体が直感で覚えているんだけども、しばらくの間はずっと忘れてしまっていて。
すごく奥底に隠されちゃっているから、時間をかけないと思い出せない。
でもここは、色んなものを体感することによって、その原体験を思い出すきっかけを与えてくれる場所。
「海ってこうなんだよね。」
「山ってこうなんだよね」
「四季ってこうなんだよね」
「自然ってこうなんだよね」ってきて。
「自分って本当はこうなんだよね」って。
ここはそういう、原点を思い出させてくれる場所なんだ。
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